中国恒大のデフォルト危機 その3

中国の大手不動産、中国恒大のデフォルト危機のニュースの続報。

9月23日に、期日を迎えたドル建て社債の利息、8353万ドル、(約95億円)を

支払うことが出来なかったが、支払い期日の30日以内である10月23日に利払いを実行できたようだ。

デフォルトは、一旦、回避できた恰好となった。次の利払いは、9月29日分の30日猶予分だが、

この調子だと、利払いの大半は、1ヶ月遅れで、凌ぐつもりなのであろう。また、中国恒大は、

不動産業を大幅に縮小し、新エネルギー車事業を強化して会社を存続させる発表を行った。

この背後には、あまり報じられていないが、中国国内の不動産会社の連鎖倒産が影響している

のかもしれない。

今後の利払い予定と最新状態は、下記の通り。

9月23日  2憶3200万元・8353万ドル(約95億円) ← 1ヶ月遅れで、10月23日に支払い済み

9月29日   4750万ドル ← 支払えず

10月12日  1億4813万ドル

10月19日  1億2180万元

10月30日   1425万ドル

11月08日   8249万ドル

12月28日  2億5520万ドル

以上である。

デフォルトとなれば、リーマンショック級のインパクトが起きるとも、さほど影響がないとも、

デフォルト確定だろうとも、エコノミストによって、様々な意見や報道がされているが

投資家目線で見ると、特に、相場に影響を与えているとは思えない。日経に関して言えば、

衆議院選挙に注目が集まっており、相場は様子見ムードもある。先週は、大型株の乱高下が

あったが、来週からは企業の決算発表、特に注目されるのは、GAFAの決算発表が集中しており

相場にとっては、大きなイベントになろう。中国恒大の問題は、あまり意識されていないように

思えるが、中国という国家そのものが隠蔽体質であるために、中国恒大の問題が煙幕となって

いて、実際には、大問題が背後に潜んでいる疑いがある。基本的に、共産主義というのは

嘘を塗り固めるところがあるので、エビデンスなどは存在しない。幹部の発言が正しく、

彼らにとっての正義である以上、それ以上のことは、一般投資家には全く分からないのである。

現在の中国は、相次いで、外資企業が脱中国を目指している。サプライチェーンから中国を外すので

ある。そのため、中国で問題が起きても、外資企業には影響がないため、相場にも影響が

なくなる。議論の的は、中国に進出した日本企業の経営者の判断だろう。基本的に、外資企業の

経営判断は非常に速い。中国恒大の裏に、本当に何か潜んでいるのかもしれない。日本企業は

逃げ遅れて、経営に重大な影響を及ぼす可能性を知りながらも、手をこまねいているのかも

しれない。12億人という巨大な消費市場は魅力的ではあるが、中国への投資は、終焉に近づき

つつあるのかもしれない。眠れる竜は目を覚ましたが、世界中を飛び回り、疲れ切って、

羽を休めたつもりが、実は、傷だらけで余命いくばくの状態なのかもしれない。いずれにせよ

中国の真実は、誰にも分からない。暗闇の中に、札束を投じる投資家は、世界には存在しない。

闇から闇へ、真実は闇の中に存在しうるが、誰にも知られぬまま葬りさられる。日本株の投資家は

中国に大きく投資している日本企業、分かり易いところで言うと、コマツなどがあるが、彼らの

経営判断を遠くから眺める程度にしておこう。中国に関わっている銘柄があれば、早々に処分することを

強く推奨する。彼らとは、もう二度と、関わってはいけない状態にあるのだから。